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同僚の飲みの誘いを上手に断る方法

うつのまんま仕事をこなす技術

うつ病を抱えたまま働く人のための仕事術を、1日1個身につけられるワークブック。


Day39.同僚の飲みの誘いを上手に断る方法

~同僚の飲みの誘いを上手に断る方法~
 
最近は、うつ病というものの存在が
だいぶ一般的に知られるようになってきました。

ただ、「知られている」だけで、
どういう病気なのか明確に
「理解されている」わけではないですよね。

これはうつ病に限らず、
どんな病気でも同じなのかもしれません。

そこでついつい私たちは、
病気の当事者である人たちに
いらぬ気づかいをしてしまうことがあります。

同様に、うつ病を抱える私たちは、

「本当にありがたいのだけれど・・・、困るかも・・・。」

と思えてしまう気づかいを
いただくことがありますよね。

特に元気のいい同僚は、
色々と心配をしてくれます。

あなたのまわりにも、
そんな元気で優しい同僚がいますか?

あなたがうつ病であることを知って、

「元気出していこう。
 今日おごっちゃうから、飲み行こうよ。
 酒飲めば、暗い気持ちも吹き飛んじゃうから。」

と誘ってくれるのです。

心配してくれて
ありがたいと思うだけに、
なかなか断りづらい。

でも、行けるわけがないので、
上手に断りたい。

風邪ならマスクをしてるし、
骨折なら包帯をしているので
断りやすいのですが・・・。

うつ病は、見た目上、
何の問題もなさそうなので、ついつい、

「落ち込んでいる訳ではなく、
 うつ病とは気持ちがつらくなる病気なんです。
 だから今回はご遠慮します。」

と真面目に
説明してしまいそうになりますが、
これほど相手に気を使わせてしまう説明はありません。

何とか、
相手の誠意をありがたく思っていること、
でも飲みに行くわけにはいかないことを
うまく相手に伝える方法はないでしょうか?

こんな時は、次のような表現が
効果を発揮してくれます。

「行かないんじゃなくて、行けないんです」

自分の意思では、
ぜひ一緒に行きたいと思っている。
だから、『行かない』と選んでいる訳ではない。

病気でどうしても体が言うことを聞かない。

だから『行かない』 のではなく、
『行けない』のだ。

そう伝えてみるのです。

風邪の場合などは、

「つらいので今日はやめておきます」

と、自分の意思で『行かない』という
表現をしても十分に相手には理解してもらえますよね。

でも、うつ病の場合は
見た目は行けそうなので、
なかなか理解してもらえないことがあります。

特に気分の落ち込みや元気の無さは
意思の力で何とかなると
無意識に信じている人ほど、
理解してもらうのが難しいようです。

「そんなんだから元気なくしちゃうんだよ。
 俺達と一緒に行けば元気になるって。」

とさらに誘ってきてくれたりします。

ここで「うつ病とは」と説明をしても、
相手の誠意には応えられません(笑)

だから、こうやって答えましょう。

「ありがとう。すごく行きたいんだよね。
 でも、どうしても “行けない”んだ。
 行かないんじゃなくて、しんどくて “行けない”んだ。」

こんな説明を受ければ、同僚も
あなたに誠意を受け取ってもらえたこと、
一緒に行くのは無理だということを理解してくれるでしょう。

うつ病を抱えながらの
コミュニケーションは、
誤解をまねきがちですよね。

あなたがどれほどつらいのかを
相手に理解してもらうことはかなり難しいことです。

だから、つらさを説明するよりも、
 
『しない』
 

 
『できない』
 
を使い分けて、
しっかりと自分の状況を説明していけるといいですよね。
 
●アクションプラン
・同僚が元気づけに飲みに誘ってくれたら感謝の気持ちとともに
 「行かないのではなく、行けないのだ」と伝えましょう。
 
<うつのまんま仕事をこなす技術>
 Day39.
『行かないじゃなくて、行けないと言う
 
  
<局長 信夫克紀(しのぶ かつのり)著>