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明日への不安をつのらせてしまう時には?

うつをやり過ごす50の方法

うつ病歴10年以上の人が書いた、ツラいうつをやり過ごすリアルな知恵


43.明日への不安をつのらせてしまう時には?

~明日への不安をつのらせてしまう時には?~
 
普段、何気なく見上げる月。

その存在はもはや当たり前すぎて、
月食や日食などがない限り、
食い入るように見つめることもありません。

ともすれば、
日常の景色の中に埋没してしまって、
わざわざ見上げることすらなくなっている。

見上げたとしても、
少し奇麗な黄色の光とその模様としか
目にうつらなくなっているかもしれません。

しかし、月は「天体」です。

実際に見たり行ったりすることの
できないほど遠くにある
土星や冥王星、もっと遥か遠くにある
オリオン座などと同じように、
この宇宙に浮かんでいる「天体」なのです。

その「天体」を
肉眼で見ることができるどころか、
その表面さえも見て取ることができる。

これってものすごいことだと思いませんか!?

夜、「うつ発作」におそわれて、
一人明日への不安を
つのらせてしまう時は、
「月」を見上げてみてください。

ただの景色として月をながめたり、
月の表面を「模様」として
ながめるのではなく、
月を「天体」だと意識して見るのです。
 
その「天体」の「クレーター」を
直接ながめるつもりで
月を見上げてみましょう。

あなたの視点は、地球を飛び越え、
宇宙に浮かぶ天体「月」とその地表を、
なんと肉眼で見ているのです。

そう思いながらながめていると、
段々と意識は広がり、
そのうち宇宙に同じように浮かんでいる
たくさんの星たちの存在が感じられるようになるでしょう。

私たちは、広い宇宙に無数にある
その星たちの中の一つに住み、
月と同様に、
宇宙にぽっかりと浮かんでいる存在なのです。

その宇宙の中では、
私たちがついついこだわってしまう
社会の常識や会社での評価など、
虚しいまでに通用せず、私たちを守ってくれはしません。

「絶対に〆切りを守らねば」と
ツラい頭を抱えて
企画書を書いていたとしても、
その5分後に地球に
巨大な隕石が衝突して、
私たちは地球ごと砕け散ってしまうかもしれません。

そしてその巨大な隕石は、
宇宙のどこかで地球の何千倍も
大きな天体同士が衝突した
ほんの小さな小さな一かけらでしかないかもしれません。

私たちが
どれだけチカラをふりしぼっても、
宇宙の中で繰り広げられている

「とてつもなく大きな現実」

に与えられる影響なんて、
本当にわずかなものでしかないのです。

力を抜いてのんびりいきましょう。
私たちは、今の自分にできることを淡々とやっていればいいのです。

目の前の社会や日常を飛び越え、
私たちが超大な宇宙の中に
生きているという「現実」に気づかせてくれる存在。

それが、「月」とその「クレーター」です。

ぜひ、じっくりとながめてみてください。
 
<うつをやり過ごす50の方法>
 その43
『月のクレーターをながめる
 


◆実践のコツ
月をながめながら、宇宙でおきている壮大な自然現象に思いを馳せてみましょう。銀河の衝突、星の爆発。人のチカラが通用しない世界で生きている現実を感じ、力みを取りましょう。

◆使えるシチュエーション
帰宅時/深夜残業中/寝る前 など

◆適用しやすいうつパターン
恐怖/虚しさ/憂鬱
 
 
<局長 信夫克紀(しのぶ かつのり)著>