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薬物以外の療法を受けてみたい

うつ病の病院選び、医者選び

よい病院にかかりたい、名医にかかりたい、失敗したくない。そんな方のために、うつ病経験者が具体的に解りやすく、うつ病の病院選び、医者選びのポイントを解説。


9.薬物以外の療法を受けてみたい

~薬物以外の療法を受けてみたい~
 
精神科、心療内科の初診で、
避けた方がいい質問
 
その最後の4つ目。
 
それは、
薬物以外の療法について
質問することです。
 
これは初診といっても、
 
すでにいくつかの精神科、
心療内科での治療をすでに
経験したことがある患者さんが、
よくするご質問かもしれませんね。
 
特に、質問を通り越して
 
『認知行動療法をお願できますか?』
 
といった提案を、
初診で患者さんからすると、
 
残念ながら、
嫌な顔をするお医者さんは
まだいっぱいいるでしょう。
 
また、
 
たとえ臨床心理士の
カウンセリングルームが
併設されている病院や
クリニックだとしても、
 
『心理カウンセリングを受けたいです』
 
と初診から要望を述べると、
たいていよい顔をされないでしょう。
 
もちろん、ある程度、
診察回数を重ねたあとなら、
すんなり受け入れられる場合も多いですし、
 
またそれは、
自分にとっての名医かどうかを
判断する良い材料にもなると思います。
 
また、その療法を受けたくて、
精神科、心療内科に訪れたのなら、
正直に伝えてもかまわないと思います。
 
ただ、その場合は、
事前に電話などで
問い合わせる方が無難でしょう。
 
その方がお金も時間も、
かかりません。
 
とはいえ、
電話の問い合わせって、
うつ病のときはしんどいですよね…。
 
そんな時は、
最近はメールでの問い合わせが
可能な病院、クリニックも増えています。
 
そのような体制が整っているかどうか。
 
それも、
うつ病の病院選び、医者選び
基準になりますよね。
 
さて、
 
なぜ先ほどのような質問や、
提案、要望は初診で避けた方が
いいのでしょうか。
 
友人の医師いわく、
 
お医者さんはみんな、
自らの治療方針を持っているそうです。
 
当然のことですよね。
 
よほど単純な病気でない限り、
まずはその治療方針にそって、
しっかり様子を見てみたい。
 
そう考えるお医者さんが、
多いそうです。
 
だから、
 
会っていきなり、
そこに介入されるのは、
お医者さんとしては、
ものすごいやりにくいのです。
 
これはどの仕事でも、
同じかもしれませんね。
 
また、
 
ほとんどのお医者さんは、
頭から薬物療法に
否定的な患者さんには、
ことのほか冷たいものです。
 
残念ではありますが、
これも当然といえば、
当然なのかもしれません。
 
なぜなら、
薬を処方して対処するのが、
日本の精神科医療の基本だからです。
 
つまり、
 
大多数の日本のお医者さんにとって、
治療とは薬物療法なのです。
 
にもかかわらず、
初診でいきなり、
他の療法の提案や要望を受ければ、
 
真っ向から自分の仕事を
否定されるようなものですから、
気持ちいいはずがありません。
 
牛肉専門店の店主が、
わざわざ来店したお客さんから、
 
「豚肉っておいしいですよね」
 
と言われているようなものでしょう。 
 
それでは、
そのお医者さんと自分との
相性を見る以前に、
 
そこでいきなり、
関係が崩れてしまうかもしれません。
 
ですので、
 
認知行動療法や、
心理カウンセリングなど、
 
他の療法の質問をしたり、
提案したり、要望したりすることは、
初診では避けておきましょう。
 
どうしても、
その療法を受けたい場合は、
事前にメールなどで、
問い合わせておくのがいいでしょう。
 
直接お医者さんに、
提案や要望する場合は、
 
ある程度回数を重ねて、
打ちとけあってから
してみる方がいいでしょう。
 
その上手な方法については、
また追って記事にしたいと思います。
 
これまでご紹介した、
お医者さんに初診で
質問しない方がいい4つのこと。
 
もちろん、
これはお医者さんのためではなく、
患者さんのため。
 
自分にとっての名医を
見極めるための策です。
 
お医者さんが気持ちよく
診察できるようにするための、
マナーなんかではありません。
 
あくまでも、
患者さんの病院選び、
医者選びのための心得です。
 
ですので、
あまり意識し過ぎずに、
 
「やめておいた方が、
 自分に合ったお医者さんに
 出会える可能性が高まるんだな」
 
というくらいに、
楽に考えてもらえればと思います。
 
さて初診で、
 
「このお医者さんはダメだ…」
 
と思うことがなく、
自分との相性も悪くなかった、
 
そんな場合は、
とりあえずその精神科、
心療内科に通うことになるでしょう。
 
その過程において、
このまま通って大丈夫かな?
 
と不安になることもあるはずです。
 
そこで次回からは、
 
そんな場面をピックアップして、
その不安を解消する方法や、
 
通い続けるかどうか、
判断するさいに参考になる
ポイントについて書いていきたいと思います。
 
 
<武田 涼 著>