夫はモラハラかもしれない - 相談相手えらびは慎重に!
育児と抑うつと暴言夫
<著者:ヤマノ イノ>
2.夫はモラハラかもしれない - 相談相手えらびは慎重に!
丨情報を集めて対策を練る
夫がモラハラだと仮定した後、私は対策を練るための情報を集めました。
なぜならば、仮説思考を使用したからです。
仮説思考とは、少ない情報をもとに、最も可能性の高い結論を仮説だてて、情報収集→検証→修正のサイクルを繰り返し行い問題解決を試みる方法のひとつです。
そこで私はモラハラ夫に対抗するために、情報を集めることにしました。
具体的には、以下の5つの情報を収集しました。
1,モラハラ被害者は、自身が置かれている現状を把握することが大切である。
2,モラハラ被害者は自身の過去を振り返り、自らの性質を知ることが解決に繋がる鍵となる。
3,モラハラ加害者の性質や行動パターンを知ることが大切である。
4,被害者の話しをよく聴いて共感し、適切な助言ができる信頼のおける人物を獲得する必要がある。
5,可能であれば、被害者は加害者と離婚すべきである。
以上5つが、モラハラ夫に抵抗するために必要となる条件でした。
私はひとまず、4番から実行に移すことにしました。
しかし、そこには落とし穴がありました。
┃相談相手えらびの落し穴
落し穴とは相談したことで、かえって自信喪失してしまうことです。
実際に私は相談相手えらびにおいて、他者に期待を寄せ過ぎたばかりに、自信喪失の落し穴に落ちました。
過去の私はモラハラに遭って辛い状況を、「他人にも理解してほしい」と心のどこかで期待を寄せていました。
知人や友人に相談するときも、露骨に口には出さずとも共感を求めるカタチになっていたと思います。
ところが私の期待とは裏腹に、知人や友人の返答は「アンタにも悪いところがあったんじゃない?」など批判とも捉えられる言葉がかえってきました。
私はショックを受けました。
辛い状況に共感してほしいという期待が、裏切られたからです。
そう感じるのと同時に、「やっぱり私が悪いんだ。だから誰も私に共感してくれないんだ。」と自責の念も更に強まりました。
すると今度は、今まで親身になってくれていた医師やカウンセラーまでも、信じられなくなりました。
「この人達が私の発言に共感するのは、仕事だからだ。本当は私が悪いと思っているんだ。」と疑うようになったのです。
過去の私は、勝手に寄せた期待が裏切られたことで、自信喪失の落し穴に落ちてしまいました。
丨落し穴に落ちない方法
自信喪失の落し穴に落ちないためにできることは、二つあります。
一つは、相手に過度な期待を掛けないこと、二つ目は、お互いを理解しようと歩み寄る人間は稀だ、と認識することです。
私達が生きている世界はとても多面的であり、決して優しい面ばかりではありません。
当然、人間同士互いに歩み寄り理解しようとしない人達も、たくさんいます。
幸か不幸か、そういった人々の考え方を操る魔法はありません。
コントロールできない相手を期待通りに動かすためには、脅迫して従わせるなど、それなりの力が必要になります。
力を行使せずこちらにできることは、せいぜい変わってもらおうと働きかけるくらいです。
あくまで決定権は相手にしかありません。
しかし、このことは同時に、自らの決定権は自身にのみあるという証にもなります。
相手にもあなたを変えることはできないのです。
自分と他者の領域をしっかりと線引きして考えれば、落し穴に落ちずに済むでしょう。
┃苦しみから抜け出すための考え方と気づき
過去の私は、自分と他者の領域を限りなく曖昧に捉えていたことにより、落し穴の中にいました。
その中で仮説思考を使って問題解決を試みていた時、ふたつの考え方に出会いました。
それはまるで、人生が生まれ変わるような気づきを過去の私に与えてくれました。
しかし、そのふたつの考え方は衝撃的なものでした。
『悪人になれ』だとか『正しさを疑え』などと言うのです。
しかし、好奇心に抗えず私は耳を傾けることにしました。
次回、『正しさを基準にしない生き方 - 悪魔の声をきく』へ続きます。
<著者:ヤマノ イノ>