HOME | 育児と抑うつと暴言夫 | ママ友の言葉や態度にモヤッときたら - 期待値を下げる方法

ママ友の言葉や態度にモヤッときたら - 期待値を下げる方法

育児と抑うつと暴言夫

<著者:ヤマノ イノ>


6.ママ友の言葉や態度にモヤッときたら - 期待値を下げる方法

 

┃ママ友関係を上手に築くために

 
母親になると避けて通ることが出来ないもののひとつに、母親同士の交流…いわゆる、ママ友付き合いがあるのはご存知だと思います。
 
せっかく何かの縁でお付き合いするのですから、楽しくお付き合い出来るのに越したことはありません。
 
しかし、そうはいかないのが人間関係の難しいところです。
 
ママ友の何気ない発言にモヤッとしたり、あるいは悪意満載の嫌がらせを受けて悲しくなったりして、気が休まらないという人もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
ただでさえ母親は育児に家事、人によってはお仕事にと多忙なのに、ママ友関係でも疲弊してしまっては心身ともにボロボロになってしまいます。
 
そこで今回は、ママ友の言葉や態度に振り回されず、上手にママ友関係を築く方法をご紹介できればと思います。
 
 

┃悪人流・期待値を下げる方法

 
ママ友と気持ち良くお付き合いするためには、悪人となって相手への期待値を下げて、「Win-Win, or No Deal」の選択肢を持つことが大切です。
 
しつこいようで恐縮ですが、ここでもまた悪人になることを推奨致したく思います。
 
なぜならば、今からお伝えする期待値を下げる方法は、世間一般では正しくないとされているため、悪人でなければ実行できないからです。
 
その期待値を下げる方法とは、「こちらの感情を掻き乱す相手に限っては、人間だと思わず物質だと思うようにする」ことです。
 
相手を人間以外の物質だと思うことで、相手に期待しなくなるため、その期待が裏切られることが無くなります。
 
期待が裏切られなければ、裏切られたことによる怒りや悲しみが沸き起こるのを防ぐことが出来ます。
 
たとえば、こちらが挨拶したのに、相手がそれを返してくれなかった時に、相手を石ころだと思ってみてくださいますでしょうか。
 
すると途端に怒ったり、落ち込んだりするのが難しくなるはずです。
 
なぜならば、相手は石ころ”なので、石ころに人間らしさを期待しても無駄だということを知っているからです。
 
どんな人でも石ころを相手に「挨拶は人間の基本なのに、それが出来ないなんて常識が無い石ころなの?!」と怒ったり、「石ころに挨拶を無視された。私、石ころに嫌われているのかな…」と落ち込むことは出来ないはずです。
 
このように「こちらの感情を掻き乱す相手に限っては、相手を人間だと思わず物質だと思うようにする」ことで期待値を下げれば、不必要な感情に振り回されることも減るのではないかと考えています。
 
 

┃期待値を下げる方法は、諦め上手になるための方法ではない

 
ご注意していただきたいのですが、「相手を物質だと思うようにする」ことは、諦め上手になる方法ではないということです。
 
これは期待値を下げるための方法であって、「理不尽なことをされても相手は物質だから、何を言ったところで仕方ない…」と自分を無理やり納得させて、自らの権利を放棄して泣き寝入りする方法ではありません。
 
然るべきときには、相手が物質であると思いながらも毅然とした態度で臨むべきだと思います。
 
たとえば、会計待ちの列に横入りされた時などに、「ムカつく!でも相手は物質だから、何を言っても仕方ない…」と自らの権利を諦めるのではなく、「相手は物質だけど、私は私のために権利を主張する。」とした方が、後になって「あの時、どうしてひとこと言えなかったのだろう。なんて自分は情けないのだ…」と悔やまずに済むでしょう。
 
また、相手を物質だと思うことで期待値が下がるため、喧嘩腰にならず冷静に、自身の主張を相手に伝えることも可能になると思います。
 
「こちらの感情を掻き乱す相手に限り、相手を人間だと思わず物質だと思うようにする」という方法は期待値を下げるためであって、諦め上手になるための方法ではないことをご理解頂ければ幸いです。
 
 

┃勝ち負け以外の選択肢

 
上記以外にも、上手にママ友関係を築くための方法のひとつとして、「Win-Win, or No Deal」の選択肢を持つこともオススメ致したく思います。
 
Win-Win, or No Deal」とは、「自分も勝ち相手も勝つ、それが無理なら取引しないことに合意する」ことです。(スティーブン・R・コヴィー『完訳7つの習慣 人格主義の回復(キングベアー出版)』の人間関係の六つのパラダイムより)
 
著書でも述べられていますが、この選択肢を持っていれば、余裕が生まれるので相手に心を開いて話すことができるようになります。
 
これは、勝利に固執する必要が無くなるため、相手をこちらの思惑通りにしてやろうと余計なハラの探り合いをする必要がないためです。
 
この選択肢はたとえば、ママ友グループで皆でどこかへ遊びに行こうと計画するとき等にも役立ちます。
 
もし、全員が楽しめる場所を決めることが出来なければ、今回は計画を取り止める「No Deal」の選択肢を選び、別の機会にて交流を楽しめば良いのです。
 
これにて一件落着といきたいところですが、現実はきっと、そんなに甘くはありません。
こちらが取引しないと選択をしても、なんとしても自分が勝つ(自分の欲求を通す)ことにこだわる相手もいるでしょう。
 
もしかすると、相手が「海に行ってバーベキューするの!さもないと次回からアンタも、アンタの子供も仲間外れにしてやるわよ!」等と目に見えない圧力をかけてくるかもしれません。
こういった場合はどうすればいいのでしょうか。
 
ちょっと勇気が必要かもしれませんが、恐怖で人を従わせようとする相手には、永久に「No Deal」を選択したほうが良さそうです。
 
なぜならば、自分が勝つことしか頭に無いような人間と、相互扶助の良好な人間関係を構築することは不可能だと思うからです。
 
また、自分が目的を達成するために、人間関係において、相手を恐怖で支配するといった前近代的で知能指数の低い手段を用いる相手と交流することは何の利益も生み出さないでしょう。
 
目先の不利益を恐れず、長期的に見て実りのある交流をするためにも、「Win-Win, or No Deal」の選択肢を常に持っていて損はなさそうです。
 
ママ友関係にモヤモヤした時には、悪人となって相手はただの物質だと思い期待値を下げて、勝ち負け以外にも選択肢があるのだということを思い出して頂ければ、少しは気持ちよくママ友とお付き合い出来るのではないかと考えています。
 
次回、第7話「ママ友が怖いと思うのはなぜ?〜恐怖の正体を知る〜
 
<著者:ヤマノ イノ