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人と話すのが苦手でも大丈夫 - 本を通した人との対話

育児と抑うつと暴言夫

<著者:ヤマノ イノ>


8.人と話すのが苦手でも大丈夫 - 本を通した人との対話

 

┃人と話すのが苦手

 
突然ですが、あなたは悩み事を抱えている時、どのように解決しようと試みられるでしょうか。
 
多くの人は、他者に相談するといった選択肢を選ぶかもしれません。
 
他者に相談して悩みが解決すればそれで良いのですが、実際それは難しいのではないでしょうか。
 
例えば、こちらが相談をもちかけたはずなのに、いつの間にか相手の相談にのる羽目になったり…。
 
はたまた、相談した相手が悪く「あなたの悩みなんて宇宙と比べたらちっぽけなものよ!」等と論点をすり替えられたうえに、比較対象がおかしい無駄話を聞かされる羽目になったり…。
 
上記の事柄は全て、過去に私自身が体験したことです。(私事で恐縮です。)
 
誰かに相談して問題が解決したことは、あまりなかったように思います。
 
イジメに遭い暗い気持ちで過ごした学生時代も、二ヶ月に一度しか休日がなかった社畜時代も、モラハラ暴言夫に追い詰められて抑うつ状態になった時なども、他者に相談したことで却って傷つくことの方が多くありました。
 
そんな経験も重なって、私は人と話すことが苦手です。
 
叶うならば、できるだけ人と直接関わることなく暮らしたいと思っています。
 
世の中には、同じような意見の方も多く存在しているのではないでしょうか。
 
ですので、今回のコラムでは可能な限り、人と直に接することなく問題解決のヒントを得るための方法をお伝え出来ればと思っています。
 
 

┃読書することは対話である

 
直接的な人との接触を出来るだけ避けて、問題解決のためのヒントを得るためにはどうすれば良いでしょうか。
 
そのひとつの手段として、読書することを提案致したいと思います。
 
「本」は人と直接話すことが苦手な方にとって、良きパートナーとなると考えています。
 
なぜなら、読書ならば人と直接関わることなく、人と対話することが可能だからです。
 
「人と直接関わらずに話すって意味がわからない。超能力者じゃあるまいし、そんなの無理でしょ。」と思われましたでしょうか。
 
実は、人と直に接触せずとも、人と対話することは出来るのです。
 
なぜならば、読書するということは、「本」を通して著者と対話するということだからです。
 
「本」は、著者の思考等が他者にも共有できるように、具現化した物です。
 
しかも、嬉しいことに「本」を通して対話出来る著者の多くは、専門知識や技術を持ったエキスパートです。
 
なかには、この世に存在しない偉人や、言語や文化が違う人とさえ対話することも可能です。
 
なによりも、読書は生身の人間と交流する時より遥かに、余計な気を遣わずに済みます。
 
「本」は物ですから、当然といえば当然なのですが、人と直接関わることが苦手な者にとってこれは有難い、と思うのは私だけでしょうか。
 
こういったことから、人と直接話すのが苦手な方にとって、「本」は素敵なパートナーに成りうると言えるのではないでしょうか。
 
 

┃読書嫌いを克服する必要はない

 
ここで「人と直接話すのも苦手だけど、読書するのも苦手!」という方はどうすればいいでしょうか。
 
もし、「今は読書が苦手だけど、本当は読んでみたいと思っている」という場合は、苦手意識の原因を探る必要があります。
 
原因がわからなければ対策を練ることが出来ないためです。
 
しかしなかには、「そんな面倒くさいことするぐらいなら、読書嫌いを克服したくない。」という方もいらっしゃるかもしれません。
 
読書が嫌いならば、無理に克服して本を読めるようになる必要はありません。
 
なぜならば、読書することは目的ではなく、手段だと私は考えているからです。
 
読書は、問題解決するためのヒントを得る手段のひとつに過ぎないのです。
 
そして何故問題解決をするかといえば、その目的は、人生を快適に過ごすために他なりません。
 
ですので、他にもヒントを得る手段があるならば、そちらを使えば良いのです。
 
例えば、スポーツに打ち込むことで問題解決のためのヒントを得ることが出来て、それで人生を快適に過ごせるならば、読書なんてしなくていいと思います。
 
昨今、読書をすることは正しいことだとして、国をあげて「皆読書をすべきだ。本を読め!」と鼻息荒く迫る風潮があるように感じます。
 
確かに読書には様々なメリットがありますが、半ば強制的にやらされるのは苦行以外の何ものでもなく、益々読書への苦手意識を増長させる人が増えるのではないでしょうか。
 
「生きるためには、絶対に読書しなければならない」などと堅く考えていては、疲れてしまいます。
 
人生を軽やかに生きるために「読書からヒントを得るっていう手段もあるよ。まあ他にも方法はあるけどね。」くらいの気楽な感じで捉えてもらえたらいいな、と思います。
 
このコラムを読んで頂いたことで、どのような手段を使えば、自分自身がより快適に人生を過ごせるかを考えるキッカケとなれば幸いです。
 
お付き合い頂きまして、ありがとうございました。
 
 

┃参考文献

 
『モラル・ハラスメント―人を傷つけずにはいられない』マリー=フランスイルゴイエンヌ
 
『悪魔とのおしゃべり』さとうみつろう
 
『逆境に強い心のつくり方システマ超入門―ロシア軍特殊部隊が生んだメソッド 』北川貴英
 
『完訳 7つの習慣人格主義の回復』スティーブン・R・コヴィー 
 
『「空気」と「世間」』鴻上尚史
 
『シャーデンフロイデ他人を引きずり下ろす快感』中野信子
 
『「空気」の研究』山本七平
 
『離婚しない「モラハラ」「自己愛性人格障害」対処の超裏技!!』Joe
 
『Brain with Soul』しのぶかつのり
 
<著者:ヤマノ イノ