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完璧を目指してしまう時には?

うつのまんま仕事をこなす技術

うつ病を抱えたまま働く人のための仕事術を、1日1個身につけられるワークブック。


Day16.完璧を目指してしまう時には?

~完璧を目指してしまう時には?~
 
私たちのようにうつ病になる人は、
完璧主義が多いっていいますよね。

あなたはどうでしょうか?

デスクワークをこなす時も、
知らず知らずのうちに、
完璧に近い結果を出そうと
してしまうことはないでしょうか。

特に資料や企画書を作ったりすると、
あとこれだけ、あとこれだけ、と
どんどん完璧を目指して、気がつくと夜に。

他の仕事が残ってしまい、
冷や汗を流しながら深夜残業。

朝は最悪の目覚め・・・。

こんな悪循環、
うつ病にいいわけないですよね。

私たちは、自分ではそんなに完璧を
目指しているつもりはなくても
だいぶ高いクォリティを基準にしてしまっているようです。

しかし、やめろと言われても、
これがなかなか難しい。

無理やりやろうとすると
あえて手を抜いて
質の悪いものを作っているような
罪悪感を感じてしまうかもしれません。

仕事の内容にも、納得できないですよね。

そこで罪悪感を持たずに、
納得できる質で仕事をこなす方法を一つ。

それは、

『イチロー並みを目指す』

という方法です。

イチローは、
あの野球選手のイチローさんです。

彼は、ヒットを飛ばす確率、
つまり『打率』が高い状態をキープしています。

それは、大リーグ記録を
塗り替えるほどの内容です。

そんなイチロー選手でさえも、
3割台しかヒットを打っていません。

良くて、30点台後半ということなんです。

だから、私たちも
30点台後半を目指しましょう。

しかし、30点台後半の仕事をしよう
と考えてしまうと、
やっぱり抵抗ありますよね。

だから、

『イチロー並みを目指そう』

と考えてみましょう。

さらに、イチロー選手も、
ヒットを打つ確率は3割台ですが、
そもそも全部の球を打っている訳ではありません。

見逃す球だってあります。
わざとファールにしてやり過ごす球だってあるのです。

私たちも、仕事をしながら

「イチローさんなら、これは見逃すんじゃないかな」
 
と想像しながら、
この作業はもういいか、
この仕事はサッとやり過ごそうと、
『こなす』部分をもうけていきましょう。

基準が、
あのイチロー選手なのですから、
罪悪感も納得できない感覚も
だいぶ薄れてきます。

全ての球に手を出して、
全ての球をヒットに
しようとしていたら、仕事になりません。

だいいち、仕事を一緒にする人も、
あなたの資料を受け取る人も、
そんなことをのぞんでいないのではないでしょうか?

逆に、一緒にいて窮屈に感じてしまうかもしれませんよね。

だから、仕事をする時は、
『イチロー並みを目指す』ようにしましょう。

真面目にやり過ぎて
うつ病になったあなたなら、
そのくらいでちょうどいいはずです。

●アクションプラン
・今日の仕事のタスクを見ながら、「イチロー並みを目指そう」とつぶやいてみる

・今日の仕事のタスクを見ながら、どの球を打ちにいって、どの球をやり過ごすか考えてみる

・資料をつくりながら、イチローを想像して、どこをやり過ごし、どこを打ちにいき、どこをヒットにするか考えてみる
 
<うつのまんま仕事をこなす技術>
 Day16.
『イチロー並みを目指す
 
  
<局長 信夫克紀(しのぶ かつのり)著>